Nakahaa Lab
中原

【トリリオンゲーム】挨拶は10円の投資という名言が刺さりすぎた話

漫画『トリリオンゲーム』に登場する「挨拶は10円の投資」という言葉が人間関係の本質をついていた。仲良くすることへの恐怖、傷つくリスク、そして小さな一歩から始める勇気について考えました。

#漫画#トリリオンゲーム#人間関係

今回はゼロから起業して1兆ドル企業を目指す漫画『トリリオンゲーム』からコミュニケーション力に関する個人的に好きな名言を紹介します。 主人公・ハルが語る「挨拶は10円の投資」という考え方と、その後に続く「仲良くしようとするっていうのは、傷つくリスクを負うってことだ」という言葉です。


ハルが語る「投資」の話

飲み会のシーンで、コミュニケーションの極意(主に女性の口説き方)を聞かれた主人公・ハルが「投資って考えんだよ」と話し始めます。

「いきなり告る!とか、いきなり高い店に誘う!とか。わけわかんねえ会社にいきなり1億円投資するようなもんだ。」

たしかに、と思いました。まったく関係が育っていない段階で、いきなり大勝負に出ても失敗するに決まってますよね。株でも人間関係でも、ゼロから億の投資はリスクが高すぎます。

じゃあどうするのか。ハルの答えはシンプルでした。


挨拶は、10円の投資

「まず挨拶するだけなら、誰でもできる」

「だから挨拶は、10円の投資だ。」

10円玉を1枚差し出す。それだけです。

万が一無視されたとしても、傷つくのは「10円落とした痛み」くらい。でも、もし挨拶が返ってきたら——それは10円の投資が10円で返ってきた瞬間です。次は100円の投資として何か世間話をしてみる。その会話にも返してくれたら、今度は1000円の投資をする。

図にするとこんなイメージです。

挨拶する(10円の投資)返ってきた?No10円の損少しだけ凹むYes100円の投資へ世間話をしてみる会話が続いた?No100円の損それはそれで仕方ないYes1,000円の投資へご飯に誘うまた続いた?No1,000円の損それはそれで仕方ないYes関係が深まっていく5,000円 → 1万円 → それ以上どの分岐でも損失は投資額だけ。まず10円から。

そうやって人間関係を少しずつ積み上げていく、という話でした。


読んで「ああ、そういうことか」と思った

挨拶を「投資」として捉えるのが巧いなと思います。人に話しかけられない心理って、たぶん「無視されたらどうしよう」「気まずくなったら嫌だ」だと思います。要は損失を恐れている状態です。

でも損失が「10円」なら?

10円で済むなら、やってみればいい。というフレーミングの転換が、めちゃくちゃ刺さりました。

いきなり「1億円投資してみてください」と言ってるわけじゃないんです。ただの挨拶、ただの一言。「10円投資してみてください」と言っているだけです。

そう思ったら、少し楽になりました。


余談:「会話のブルペン投球」には気をつけたい

ハルの話とは若干ズレますが、相手の反応がいまひとつ(=10円が返ってきてない)なのに、それに気づかずどんどん自分の話を続けてしまうこと、たまにありますよね。いわゆる「会話のキャッチボール」ができていない状態なのですが、僕はこれを勝手に「会話のブルペン投球」と呼んでます。

会話でこれをやってしまうと、相手はずっとボールを受け続けるだけで、投げ返す隙がない。消耗するし、気づいたら距離を置かれてしまいます。

自分と相手の共通の好きなことを話していて、意外と熱量に温度差がある時などに起こるイメージです。たまに自分もやってしまうので気をつけたいです。

10円の投資をした後は、必ず「返ってくるかどうか」を確認してから次の投資を検討する——ハルの考え方はそのまま、これの答えでもあると思います。投資した後のリターンをちゃんと見てから次に進む。それが会話の、人間関係の基本なんじゃないかと。


もう一つの名言:「いいんだよ怖くて」

10円の投資の後の、この話の本当のピークは実はもう少し後にあります。

仲良くしようとするっていうのは、傷つくリスクを負うってことだ。人と人だ。いいんだよ怖くて。

— 『トリリオンゲーム』ハル

これが個人的にすごく好きで。

仲良くなりたいという気持ちがあると「嫌われたらどうしよう」となり投資するのが怖いかもしれません。怖さを感じているということ自体が、その人と近づきたいというサインだと思います。

「怖くて当然。でも、だから何?」という話ですよね。

これ、『進撃の巨人』のアルミンの名言と重なる部分があると思っています。「何かを手に入れようとする人間は、何かを捨てられる人間だ」みたいな感じのやつです。(うろ覚え)

傷つくリスクを引き受けられる人間だけが、本当のつながりを手に入れられる——ハルの言葉は、そういう意味で通じる気がしました。

勇気とは恐怖がないことじゃなくて、恐怖があってもやることだ、みたいな話にも近いですよね。

怖くて当然。いいんだよ怖くて。そのまま、10円の投資から始めればいいんです。


二次会に誘われなかったガクと、ガクを誘うハル

少し脱線になりますが、この回のラストもまた良かったんですよね。

飲み会が終わった後、ガク(主人公の相棒)は二次会に誘われず1人で帰ることになります。 内気なキャラで、人間関係を築くのが苦手なガク。ハルは二次会にガクが誘われていないことに気づき、「なんか腹痛くなったから後でオンラインでモンハンしよう」とガクを誘うんです。

普通に泣きました。


まとめ:まず10円から始めればいい

『トリリオンゲーム』の「10円の投資」という話から、人間関係について改めて考えさせられました。

  • 関係は段階的に育てるもの。いきなり1億円は無謀
  • 挨拶は10円の投資。リスクはほぼゼロで、リターンは大きい
  • 返ってこなかったとしても、損失は「10円分の凹み」だけ
  • 怖くて当然。でも怖さを乗り越えてまずは1回挨拶してみる

漫画として面白いのはもちろんですが、こういう人生の指針になる言葉が随所に出てくるのが『トリリオンゲーム』の好きなところです。

ドラマにもなってますのでまだ見たことがない方はぜひ!。